ある日、とことこと不動産やさんにいくと、
その店一押しらしい
いろんな図面を見せられて
「さあ、どれがいいですか」
とぐいぐいと詰め寄られた。
なんていうか、
どれもこれも、
心に響く図面がない。
でも、その不動産やさんは、
もじもじしている私に
さらにぐいぐいときて、
「何がだめなんですか? この物件の、何がだめか言ってください!」
と言った。
・
なにがだめか、とか、
なにがいやか、とかって、
うまく言葉にはできないけれど、
なんだかいや、
ということって
この世界にたんとたくさんあると思いませんか。
わたしの場合、
その言語化スピードが恐ろしく遅いために、
いままで数々の人たちの
苛立ちポイントをあげてきたと思うのだけど、
ぐいぐいと
詰められて
なにも言えない
という図にまたしても陥り
しょぼりん
としておうちに帰りました。
・
次の日、
また違う不動産やさんにいくと、
もじもじしている私に
「では、ひとつひとつ条件を決めていきましょう」
と、○×シートみたいな「条件シート」を一緒に見せてくれながら、
頭の中のくちゃくちゃの糸を少しずつほどいていくように
会話を進めていったくれた。
パートナーって、
大事だなぁ。
とすごく思った。
翌日、仕事で心理カウンセラーの取材にいくと
「君は、視覚情報よりも聴覚からの言語情報を重視するから、
君にとって付き合いやすい人は、言葉で丁寧に説明してくれる人」
と言われて大変納得する。
・
どうでもいいけど、村上春樹さんのエッセイによると
「というわけで」
という名前のラブホテルが実在するらしい。
小洒落ていますね。