chickenスープのやりとり | 日々のこと

日々のこと

言葉を紡ぎだしてみるところ。

広尾のあるカフェ(飲食店)で、

私の前に並んでいた欧米人が、

注文をしていた。

彼女は、

「chickenにします」

とゆっくりと、日本語でオーダーを伝えた。


広尾にいると、東京もグローバル化したんだなぁと

しみじみ思うほど(お前誰だって感じなんですが)

とにかく外国人が多いので、

日本語をぺらぺらしゃべる方もたくさんいる。

でも、彼女は、

「chickenにします」

のしゃべり方からして明らかに、日本語はあまりしゃべれる方ではなさそうだった。


しかし

店員さんは、何だかとても忙しそうに、

「こちらですね。かしこまりました。お客様、店内でご利用になりますか?」

と彼女に聞いた。


肝心の「店内でご利用に」という部分が早口なので、彼女は「はて?」というリアクションをしたのだが、

店員さんは懲りずに

「お客様、店内でご利用になられますか?」

と相変わらず早口で聞く。


そして、彼女がもう一度「?」と首をかしげてから、

「eat here?」

とようやく彼は言った。


そして最後に

「お客様、ポイントカードのご利用はいかがですか?」

と同じく早口で彼は言ったのだが、

彼女はその日本語をスルーしてchickenスープを自分の席に運んでいった。



その時間、別に混雑しているわけでもないのだから、

目の前のお客さんがどういう方なのかにほんの少しでも注意を向ければ、

少しゆっくり話すとか、手振りを使って話すとか、

何かしようがあるだろうに・・・


なーんだかなぁ


と思ってしまった。



昔パリに一人でいったとき、

かわいいパン屋さんを見つけてクロワッサンを買いたかったんだけど、

私の「クロワッサン」の発音が、パリ人には通じなかったらしく、

「フランス語喋れない人は無視!」

とばかりにオーダーさえとってくれないことがあって、


そのときの疎外感を

じんわり思い出してしまった。




日本のサービス業は世界最高峰だけど、


マニュアル化は味気ない。